司法書士の広告宣伝について
最近は本当に司法書士事務所の広告宣伝を目にするようになりました。
電車の中吊り広告然り、新聞広告然り…
で、また、ついにというか、とうとうというか、ラジオやテレビでコマーシャルを流す事務所まで出現する状況です。
この状況を一司法書士として、是と見るべきか、非と見るべきか…。
結論から言えば、カエルのおじさんはどちらかと言うと広告宣伝の自由化は情報化時代の要請でもあるでしょうから、頭から否定するものではありません。
が、一方でこのようにお金に物を言わせて広告宣伝することを拝金主義だとして非難する同業司法書士さんが多いこともまた事実です。
聞けば電車広告に毎月1000万円、新聞広告には毎月500万円もの広告宣伝費をかけている事務所もあるとか…それも司法書士法人を名乗って大々的に宣伝しているところは軒並みそうだと言われています。
これらの莫大な広告宣伝費用は当然相談料金に上乗せされています。
このため、広告宣伝反対派が彼らを非難する理由は、彼らが常に経営効率のよい仕事ばかりを追いかけるあまり、本当に経済的に困窮している人達の相談にきちんとした対応をしているのか・・・と言った点です。
つまり、
①着手金を払えない相談はお断り。
②過払いが見込まれない相談は着手金を吊り上げ実質的に拒絶。
③心身に障害ある人の相談についても多額の着手金や出張費用を提示してこれまた実質拒絶。(ただし、事務所に来れない人でも、着手金を支払い、電話・郵便などで処理出来る場合は受任するがそうでなければ即拒絶)
要するに、儲らない仕事やわずらわしい仕事は最初から門前払いするという極めてドライでビジネスライクな業務姿勢に徹しているのです。
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以上の経営効率を優先させた司法書士事務所のシステムのどこがいけないのか…と言うと、一般企業であればこの種のやり方は非難されるものでなく、むしろ賞賛されるべきビジネススタイルでしょうが、一般企業と我々司法書士事務所の最も大きな違いは公的使命を帯びているかどうかにあります。
そもそも司法書士業務というものは国家から資格者にのみ付与された業務独占権限(この点各種国家資格も同じですが)です。
資格のない人は司法書士業務をやってはいけないことになっており、多業種からの参入は許されていません。
ということは、資格者にはそうした業務独占特権を与えられていることに対する見返り的な義務として、我々はどんな非効率な仕事であっても基本的に拒絶してはならない立場にあるのです。
あらゆる市民を差別する事なく、社会的弱者を含むすべての市民に対して、広く自らの職責に応じた責務を果たすべき使命があります。
なので、経営効率もさることながら、まず我々が最優先すべきは“社会的弱者の救済をも厭わない博愛思想”こそが正に司法書士の基本的素養として保持していなければならないということなのですね。
したがって、このような博愛思想と前記の営利優先思想とは互いに根本的に矛盾するものと言わざるを得ません。
営利追求する司法書士法人の受任姿勢は根本的に間違っているのではないかということです。
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が
それでもカエルのおじさんは司法書士の広告宣伝に対しては賛成しています。
なぜカエルのおじさんはこうした広告宣伝活動に積極的に反対しないかと言うと、理由はいくつかあります。
①一つ目の理由
まず政府や司法書士会は広告宣伝の自由化を容認しているから…ということです。
広告宣伝を自由化したらこんなことになるのは目に見えていたことです。
それが分かっていながら自由化したのですから今さらとやかく言えた義理じゃないですよね。
②二つ目の理由
広告宣伝を自由化するとデメリットだけでなく、メリットもあるという点です。
我々の業務内容を広く知ってもらうという意味で派手な広告はある意味貢献大だったと言えます。
ウチに来られる相談者の中には電車広告を見て司法書士さんが債務整理を支援してくれるということを知ったので来ました・・・という人も少なからずいます。
(このことは一昔前まで、“司法書士”と言えば『登記の代書』みたいに思われていた時代を知っている者としては隔世の感があるわけです。)
③三つ目の理由
このようなビジネスライクな経営スタイルは早晩自滅するだろうと予想されるからです
今、派手な広告宣伝をして利益追求に奔走している司法書士法人に対しては、会も行政も着々と対策を練っているところです。
広告宣伝の自由と司法書士倫理を調和させるにはどうしたらいいか。。。
野放しの広告宣伝がいけないのであれば、自主規制で広告宣伝の中に一定のルールを決めるという方法もあります。
その一つとして、広告宣伝の中に、“法律扶助業務”という文言を必須記載事項にすべきだという意見もあります。
“法律扶助業務”という文言を広告宣伝に入れるとどうなるか?
と言うと、
ある人の見通しでは、これをやるだけで現在電車広告や新聞広告で債務整理を大々的に宣伝している拝金主義的な司法書士法人は壊滅的な打撃を受けるであろうと言う人もいます。
なぜか。。。
債務整理の相談者にはお金のない人が結構います。
お金があったら借金しませんから。
中には生活困窮者もいます。
そういう相談者が来ても、今までなら報酬支払い能力がない人には着手金が用意出来ないなら受任できませんよと言って門前払いできていたのが、もし広告に“法律扶助業務”という文言を入れるよう義務化したら、そういう人からの相談も受け付けざるを得なくなります。つまり、お金がない相談者の場合には“門前払い”ではなく、“法律扶助手続き”を申請して受任いなければならなくなるからです。
派手な広告宣伝をしているところには大量の“法律扶助”案件が持ち込まれているであろうことが容易に推測できます。
“法律扶助業務”は、収集する書類の多さや繁雑さという点では通常の自己破産手続きとなんらボリューム的に変わりません。
ところが、“法律扶助業務”はある種ボランティアなのでこの分の報酬請求は出来ないことになっています。
しかも“法律扶助業務”の仕事に対しては扶助協会から報酬が支払われますが、この報酬が極端に低く、大体彼らの報酬相場からすると半分以下程度です。
仕事量が2倍になって、報酬が半分以下になるわけです。
ということは、今までの4倍売り上げないと事務所経営上は苦しくなります。やがてこうしたビジネスモデルはアウトになるでしょう・・・という話。
・・・
で
派手な公告を自主規制するもうひとつの方法として、広告宣伝には原則法テラスや法律扶助協会の正規登録会員の氏名表記を義務化させるという方法もあります。
彼らの雇い入れている事務員の大半は無資格者か開業前の新人司法書士です。
不当に低い賃金で彼らの能力を搾取することで成り立っているビジネスだとも言えるのです。
扶助協会や法テラスの正規登録会員になるためには一定の研修単位の取得が必要とされます。単位取得まで数年はかかりますから資格取り立ての資格者の名前では広告宣伝に使えなくなります。
これこそが正に彼らの最も忌み嫌う自主規制と言うわけです。
・・・
さて、ここまで書いて来るとカエルのおじさんはどちらかと言うと、広告宣伝をしている司法書士法人のことが本当は嫌いなんじゃないか…とも言えますよね。
でも
個別の派手な司法書士法人に対する感情はさておいて
それでも節度ある広告宣伝行為そのものには賛成ですよ。
但し、
宣伝する以上は仕事に貴賎の差を作らず
どんな相談でも受けることを義務化すればよいだけの話です。
・・・
カエルのおじさんのところは広告もしていますが
原則どんなに非効率な仕事でも断ったりしません。
あ
途中になりそう・・・





